20日の債券相場は上昇に転じた。このところの金利上昇を受けて投資家が安値を拾ったとの声が出ている。朝方は売りが先行し、長期金利(新発10年債利回り)は1.44%と2009年11月以来の高水準を更新していた。

三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャーは「ショートカバーの買いか、投資家の押し目買いが入ったのだろう」と語る。

債券相場は上昇に転じたが、金利先高観は引き続き強い。SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストはリポートで、3月5日の日本銀行の内田副総裁講演、14日の春闘第1回集計結果公表というイベントに向けて「しばらく金利上昇を試す可能性がある」と指摘した。

小口氏は、この日行われる残存期間5年超15.5年以下の流動性供給入札について「通常は注目度が低いが、このところ売られているゾーンなので警戒感が強い」と言う。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストもリポートで「地合いの悪さや相場のボラティリティーの高まりが応札の手控えにつながる可能性があり、気がかりだ」と指摘した。

 

流動性供給入札

  • 対象は残存期間5年超15.5年以下
  • 発行予定額は6500億円程度
  • 備考:流動性供給の過去の入札結果(表)

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