暗号資産(仮想通貨)ビットコインに積極投資する米ストラテジーは、2週連続で約10億ドル(約1550億円)相当のビットコインを購入した。最近のビットコイン価格の下落後も、草分け的な「デジタル資産トレジャリー(DAT)」企業として購入姿勢をさらに強めている。

15日の同社開示資料によると、8日から14日までに9億8030万ドル分のビットコインを追加取得した。7月以降で最大の取得規模で、2週連続で1万ビットコイン超を購入したのは1月以来だ。

今回の購入資金の大部分は、「アット・ザ・マーケット(ATM)」株式オファリングと呼ばれる仕組みによるクラスA普通株の発行で調達した。また、4種ある永久優先株のうち3種を発行する方法でも資金を確保したという。

Photographer: Ronda Churchill/Bloomberg

こうした手法に対しては、追加の株式発行により既存株主の持ち株が希薄化し、ビットコイン保有による株価のプレミアムが損なわれているとする批判の声もある。現在、同社が保有するビットコインの価値はおよそ590億ドルに上る。

同社株は15日、8.1%安の162.08ドルで取引を終えた。ビットコインは一時3.7%下落し8万5171ドルを付けたが、その後は下げ渋り、アジアの早い時間帯に8万6000ドルを上回って推移している。10月上旬の過去最高値(12万6000ドル超)を約30%下回っている。

ストラテジー創業者のマイケル・セイラー氏は15日夜、「私の会社はビットコイン・マキシマリスト(至上主義者)のために構築されている」とマイアミ・エコノミック・クラブのイベントで発言。「私の会社の株式を買うのは、ビットコインが勝利し、年30%の成長を遂げると信じている人々だけだ」と語った。

同社は先週、世界の株価指数を提供するMSCIに対し、総資産の50%を超える暗号資産を保有する企業を指数から除外するというルール案を撤回するよう要請した。MSCI指数委員会に宛てた書簡の中で、計画通りに進めば「非常に有害な結果」を引き起こすと警告した。この決定は2025年1月15日までに下される見通しだ。

原題:Strategy Buys Almost $1 Billion in Bitcoin for a Second Week (1)(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2025 Bloomberg L.P.