日本銀行による追加利上げへの期待が高まる中、アセットマネジャーの円に対する強気ポジションが約4年ぶりの水準まで拡大した。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、アセットマネジャーによる円の買い越しは11日時点で2021年3月以来の高水準に達した。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では7月までの日銀追加利上げの予想確率が9割に近づき、9月までの実施を確実視している。日本時間17日午後0時時点の円相場は、前週末ニューヨーク終値比0.5%高の1ドル=151円56銭で取引されている。

日銀の田村直樹審議委員は今月上旬に、現在0.5%程度の政策金利を25年度後半には少なくとも1%程度まで引き上げることが必要との見解を示し、昨年12月の名目賃金は1997年1月以来の高い伸びとなった。一方、米国では1月の小売売上高の落ち込みを受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が再燃。日米金利差が縮小する可能性が高まった。

みずほ証券の大森翔央輝チーフ・グローバル・デスク・ストラテジストは「アセットマネジャーは、日銀の利上げ意欲は当初みていたより強いと考えるようになった」と指摘。多くは金利の最高到達点を1%と予想していたが、「金利見通しが予想よりも早く1%以上に引き上がる懸念も出てきた」と述べた。

円は今年に入り、主要10通貨中でドルに対して最も上昇した通貨となっている。過去4年間の連続下落とは対照的なパフォーマンスだが、個人投資家による海外株式投資や日本のマイナスの実質金利といった円安圧力にも直面している。

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