欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁は、インフレ減速のリスクを軽視すべきではないとの見解を示した。15日付のフィンランド紙ヘルシンギン・サノマットが報じた。

レーン氏は同紙とのインタビューで「エネルギー価格の下落やユーロ高、賃金やサービス価格の上昇ペース鈍化が重なれば、総合インフレ率が2%目標に対して過度に減速するリスクがある」と述べた。

レーン・フィンランド中銀総裁

12月の追加利下げの可能性について問われたレーン氏は「このリスクは軽視すべきではない」と答えた一方で、インフレが上振れするリスクも考慮すべきだと付け加えた。

インフレ率が2%目標に近づいている中、エコノミストや市場関係者の間では、中銀預金金利の変更は当面見込まれていない。ECBはこれまでの利下げサイクルで8回利下げを実施し、同金利を4%から2%へと引き下げてきた。

レーン氏はまた、トランプ米政権の関税政策で世界貿易が混乱する中でも、ユーロ圏経済は「緩やかだが持続的な成長」を示しているとの認識を示した。

株式市場については、「明らかに調整リスクに直面している」と述べ、銀行の自己資本バッファーの重要性を強調。「米国の人工知能(AI)ブームを背景に、株価は実体経済や企業収益に比べてかなり高い水準にある」とし、「警戒を要する」と付け加えた。

 

原題:ECB’s Rehn Says Must Account for Risk of Slowing Inflation(抜粋)

--取材協力:Philip Tabuas.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.