(ブルームバーグ):トランプ米大統領は14日、新たに自動車への関税を明らかにすると述べた。世界的な貿易関係を再構築し、生産拠点を米国に移すよう企業に圧力をかけようとする中、これまで打ち出した輸入品に対する一連の課税計画をさらに拡大する。
トランプ氏はホワイトハウスの大統領執務室でエネルギー政策に関する大統領令に署名した際、「4月2日前後に行うつもりだ」と記者団に語った。
トランプ大統領は前日、日本を含む貿易相手国に対する相互関税導入を検討するよう政権に指示した。早ければ4月初めに発動される可能性がある。
自動車への関税は、日本やドイツ、韓国の大手メーカーの一部が標的となる。輸入車は昨年、米自動車市場全体のおよそ半分を占めた。市場調査会社グローバル・データによれば、フォルクスワーゲンの米販売の約80%は輸入車であり、現代自動車と起亜自動車でも米販売の65%が輸入車となっている。

トランプ大統領はこの日、自動車関税の範囲や税率については詳細を示さなかった。またトランプ氏が1期目に再交渉した米国、カナダ、メキシコ3カ国間の自由貿易協定の下で製造された自動車への影響も不明だ。
トランプ氏はこのほか、USスチールを巡り、日本の企業が少数株を取得するのは構わないと語った。
自動車の業界団体は、関税に伴う価格上昇やサプライチェーンへの影響で警鐘を鳴らしてきたが、トランプ政権が計画している具体的な関税を見極める姿勢を示している。外資系メーカーのロビー団体、オートス・ドライブ・アメリカはすぐにはコメントせず、デトロイトの自動車メーカーを代表する米自動車政策評議会(AAPC)にもコメントを求めたが、すぐには返答がなかった。

トランプ大統領は移民や違法薬物の流入を巡り、他国から政策の譲歩を引き出すために関税を活用。また、米国に生産拠点を移すよう企業を説得する手段としても関税の効果を強調している。
原題:Trump Says New Tariffs on Autos Coming Around April 2 (2)、Trump: Wouldn’t Mind Japan Co. Taking Minority Stake in US Steel(抜粋)
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--取材協力:Josh Wingrove、Keith Laing、Ryan Beene.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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