(ブルームバーグ):来週の円相場は上昇しそうだ。19日に予定される日本銀行の高田創審議委員の講演は、最近のボードメンバーの発言と同様にタカ派的な姿勢が示されると予想されており、利上げ観測による円買い圧力がかかりやすい。米国で物価統計が上振れする中、米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言トーンに変化がないかも注目される。
市場関係者の見方
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長
- 高田委員がこれまで通りタカ派的な見通しを示せば、関税を巡る混乱の中でも日銀の利上げ方針は変わらないことが確かめられる
- 1ドル=150円台までは円が買われる場面もありそうだが、150円を割れることはないだろう。円は売られても154円台前半から半ばまでか
- FRBはインフレ警戒のバイアスがかかってきており、年内1回の利下げ織り込みさえもなくなるような踏み込んだ発言がないか注意が必要
大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジスト
- ドル・円は米長期金利に合わせて値動きが大きくなっているが、方向感はつかみづらく、150円から155円程度のレンジで上下しそうだ
- 日米の金融当局者の発言が焦点。日本は米国から円安修正圧力がかかっているとの思惑もあり、高田委員はタカ派姿勢を維持するだろう
- 自動車を標的にトランプ米政権の関税政策が日本に突き付けられれば円売りになるが、日本側は米国が問題視する円安の修正で交渉する可能性がある
来週の主な予定
- 17日:昨年10-12月期の国内総生産(GDP)速報値
- 17日:プレジデンツデーの祝日のため米株式・債券市場休場、ボウマンFRB理事が講演
- 19日:日銀の高田審議委員が講演・会見
- 19日:米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月28、29日開催分)
- 21日:1月の全国消費者物価指数(CPI)
- 21日:2月のS&Pグローバル米製造業・サービス業・総合PMI
- 23日:ドイツ総選挙
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