衆院は14日の本会議で、日本銀行の審議委員に早稲田大学政治経済学術院教授の小枝淳子氏を充てる国会同意人事案を賛成多数で可決した。19日に開かれる参院本会議でも同意を得られる見通し。中川順子審議委員と合わせて日銀の政策委員が初めて女性2人となる。

小枝氏は安達誠司審議委員の後任で内閣の任命を経て3月26日に就任する予定だ。任期は5年。マクロ経済や国際金融が専門で、日銀金融研究所の国内客員研究員も務めた。昨年3月のマイナス金利解除など大規模緩和からの脱却を「歴史的に大きなステップ」と評価しており、植田和男総裁の下で日銀が進める政策正常化を支持するとみられる。

自民、公明の与党が衆院で過半数割れする中、2025年度予算案に先立つ日銀審議委員人事案の採決で立憲民主党や国民民主党などが賛成した。人事案は衆参両院それぞれの同意が必要だが、参院では与党が多数派を占めている。安達氏に続いて中村豊明審議委員も6月30日に任期満了を迎えることから、今国会の会期中に後任人事の提示と採決が行われる見通しだ。

政府は1月28日に小枝氏起用の人事案を衆参両院に提示した。審議委員は、日銀の最高意思決定機関である正副総裁を含めて9人で構成する政策委員会のメンバーで、金融政策運営を決める投票権を持つ。

小枝氏は1999年に東京大学経済学部を卒業後、2005年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)経済学研究科で博士号を取得。国際通貨基金(IMF)のエコノミスト、東大経済学部経済学研究科の特任講師、早大政治経済学術院准教授や財務省財務総合政策研究所の総括主任研究官などを務めた。

--取材協力:関根裕之.

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