全国銀行協会は13日、福留朗裕会長(三井住友銀行頭取)の後任に、三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取を充てる人事を内定したと発表した。任期は2025年4月から1年間。

同日の理事会で決定した。半沢氏の就任は3年ぶり2回目となる。全銀協には大手行や全国の地方銀行など約110機関が正会員として参加する。会長には3メガバンクやその持ち株会社のトップが輪番制で就くのが慣習になっている。

銀行業界では不祥事が相次いでいる。1月に貸金庫から顧客資産を盗んだとして警視庁が三菱UFJ銀の元行員を窃盗容疑で逮捕したほか、昨年11月には三井住友信託銀行の元管理職によるインサイダー取引の疑いが発覚した。業界全体のガバナンス向上や信頼回復が半沢氏の課題となる。

福留氏は半沢氏について、三菱UFJ銀では不祥事があったものの、「再発防止策を策定し、改善に向けた取り組みに着手したところであり、そうした状況を踏まえ内定した」と述べた。理事から内定に反対はなかったという。

また、金融庁がリスクを伴うとして懸念を示した「仕組み貸し出し」については、「相場動向次第では利回りが急激に悪化する可能性がある」と指摘。その上で、中途解約すれば「思わぬ損失が顕在化するリスクもある」とし、金融庁からの指摘や要請を踏まえ、加盟行にさらなる管理体制の高度化を期待していると述べた。

(福留会長のコメントを追加して更新します)

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