13日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=154円台前半で推移。前日までの急速な円安の進行を受けて円を買い戻す動きが出る一方、トランプ米政権の関税政策に対する懸念や米利下げ観測の後退が円の重しとなっている。

オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクターは、前日に米消費者物価指数(CPI)を受けて円安・ドル高が急速に進んだため、「きょうは手を出せない人が多く東京市場は模様眺めだ」と指摘。トランプ政権の相互関税はヘッドラインとして警戒されるものの、「ドル・円を動かす材料としては日米の金融政策が重要」と述べた。

朝方の円相場は一時1ドル=154円13銭まで上昇。今週初の151円台前半から154円台後半まで円安が進んだ反動が出たほか、1月の企業物価で輸入物価指数の伸び拡大が日本銀行の利上げを促すとの見方もあった。その後、金融機関が外為取引の基準レートとする公示仲値の設定にかけて実需のドル買い・円売りが出て154円67銭まで下落する場面もあった。

外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は、トランプ関税がそれほど厳しいものにはならないとの楽観的な見方が剝落(はくらく)し、ドル高材料が意識されていると指摘。米コアCPIの予想外の上振れで「次は利下げより利上げとの見方さえ出てきている」と述べ、テクニカル分析の観点も含めてドル高・円安が進みやすかったと説明した。

一方、神田氏は、152円以下でドル買い・円売りしていた東京勢は154円台で円を買い戻しているのではないかとし、「トランプ大統領が相互関税に署名すれば再びクロス円が崩れるリスクもあり、早めにポジションを解消する動きはあるだろう」との見方を示した。

 

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