トヨタ自動車は12日、電力・ガス料金や労務費の上昇などを踏まえ、2025年度上期(4-9月)分の国内の部品購入価格を引き上げる方針であることを明らかにした。

トヨタの調達本部で本部長を務める熊倉和生氏はオンライン説明会で、材料費、電力・ガス料金、労務費などの上昇により、24年度下期(10-25年3月)と比べ仕入価格が上昇すると述べた。具体的な価格水準については言及を控えた。

自社や関連企業で認証不正問題が相次いだことなどを受け、トヨタは今期(25年3月期)を「足場固め」の時期と位置づけており、仕入れ先を含めた「人への投資」と「成長領域への投資」に計8300億円を充てるとしている。部品の調達価格の引き上げはトヨタの業績にとっては引き続き下押し要因となる恐れがある一方、労務費などの高騰に直面する取引先には朗報となる。

トヨタによると、同社は国内で部品サプライチェーン(供給網)全体では約6万社と取引があり、年間の発注金額は約7兆円に上る。規模の小さい部品サプライヤーは価格交渉で弱い立場に置かれやすく、上昇した原材料費や労務費の価格転嫁がサプライチェーン全体に浸透していないという見方もある。帝国データバンクの24年5月のリポートによると、自動車のサプライチェーンに属する企業の11.9%が「全く価格転嫁できていない・価格転嫁するつもりはない」と回答したという。

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