ヘッジファンドが原油の売りポジションを約3カ月ぶりのハイペースで積み上げている。米国と中国による関税の応酬がエネルギー需要を減らすとの見通しが背景だ。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、マネーマネジャーによるウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)のショート(売り持ち)は4日までの1週間で1万5774枚増加し、5万7441枚となった。これは、昨年10月以来の大幅増。

この間、トランプ米大統領は中国からの輸入品への追加関税を発動し、中国は即座に報復措置を発表した。米国の中国からの原油輸入量は小さいものの、2大経済大国間の貿易摩擦が世界的に消費の重しとなる恐れがある。

トランプ氏が1月に政権に返り咲いて以来、原油市場の値動きは荒く、投資家による市場回避の動きを促している。WTI先物はトランプ氏のさまざまな発言や動きに揺さぶられ、先週は3週連続の下落となった。

一方でイランやロシアへのさらなる制裁、カナダやメキシコの原油への関税賦課の可能性もある中で、供給不足への懸念も一部に残っている。

原題:Hedge Funds Boost Bearish Oil Bets as Trade War Threatens Demand(抜粋)

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