(ブルームバーグ):ポンドの一段安に備え、投資家が持ち高の調整を進めている。イングランド銀行(英中央銀行)が6日の政策判断で、英国経済の停滞についてあらためて懸念を示したことが背景にある。
ピクテ・アセット・マネジメントは年初からポンドのポジションを削減。ハートフォード・ファンズとラッセル・インベストメンツも持ち高を縮小した。英中銀が年内により多くの利下げを行う可能性を市場が織り込む中で、RBCブルーベイ・アセット・マネジメントは既にアンダーウエートのスタンスを強める余地があるとみている。
ポンドは7日の取引でやや回復し、週末を前に1.2450ドル前後で取引されているが、前日は英中銀の利下げを受けて一時1.2%安に沈み、G10通貨のうち今年の騰落率が最悪となった。利下げは予想通りだったが、政策判断と併せて発表された経済成長率の見通しは従来予測の半分に引き下げられ、これまでタカ派的な姿勢を示していた委員を含む2人が大幅な利下げを支持したことも明らかになった。
年初以降に自身のポートフォリオで求められる最小限までポンドのエクスポージャーを減らしたというピクテのポートフォリオマネジャー、シャニエル・ラムジー氏は「長期的に、現在の英国の財政・成長見通しではポンドへの需要は考えづらい」と指摘。「英国経済にはリスクが依然認められ、英中銀には追加利下げの必要性があると当社はみている」と述べた。
現在進行中のリプライシングは、英国経済の加速を公約したリーブス財務相にその実現を急かしている。英国は他のG10通貨諸国の多くと比べ、大幅に高い水準の金利が続くという過去2年間のポンド高を後押ししたシナリオにも狂いが生じた。

最近強まりつつある大幅利下げの見通しは、長きにわたったポンドのハイイールド通貨の地位を崩しつつある。ポンドは英国がトランプ米政権の貿易関税をまずは免れるとの期待から最近上昇していたが、それも薄れた。
市場は年内に2回の追加利下げを完全に織り込んでいる。3回目の確率も、全く見込まれていなかった年初から大幅に上昇し、ますます見通しは強まっている。UBSは6日の利下げに加えて、年内に5回の追加利下げがあると予測する。
追加利下げは、ポンドの一段安を導く。INGは年後半に2023年3月以来となる1.19ドルを付けると見込む。BBVAはポンドが対ユーロで下落し、0.85ユーロになるとみている。英国の金融緩和と日本銀行の引き締めで金利差が縮小するため、対円では5%下落して1ポンド=180円に向かうだろうと、野村ホールディングスは予想した。
原題:Pound Set for More Losses as BOE Flags Risks to UK Growth(抜粋)
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