ホルムズ海峡周辺での交戦やアラブ首長国連邦(UAE)へのミサイル攻撃などでイラン情勢は4日に再び緊張が高まったが、米国は本格的な戦闘再開にはつながらないとの見方を示した。

ケイン統合参謀本部議長は5日、国防総省で記者団に対し、イランによるペルシャ湾の船舶やUAEへの攻撃は停戦違反には当たらないとの認識を示した。同席したヘグセス国防長官も、約1カ月前に始まった停戦は現在も維持されていると確認した。

原油相場はニューヨーク時間5日の取引で下落。北海ブレント先物は1バレル=111ドルを下回った。前日には中東での緊張の高まりを受けて約6%上昇していた。

ホルムズ海峡周辺では、トランプ大統領が3日に「プロジェクト・フリーダム」を発表した後に緊張が高まった。戦略的要衝である同海峡の通航再開と、ペルシャ湾内で足止めされている船舶の退避を支援する計画で、米中央軍によると、米船籍の商船2隻が海峡の通過に成功した。

UAEは5日、ミサイルやドローンによる脅威への対応を続けており、前日にイランから発射された約20発のほぼすべてを迎撃したと明らかにした。

ヘグセス国防長官は「プロジェクト・フリーダム」について、防衛目的の一時的な作戦だと説明し、イランの港湾に対する米国の海上封鎖は引き続き全面的に維持されていると述べた。同長官とケイン議長は、必要とあれば米軍は戦闘作戦を再開する用意があると改めて強調するとともに、各国に支援への関与を求めた。

ケイン議長によれば、計2万2000人の船員が乗る商船1550隻超が現在、ペルシャ湾内に足止めされている。

一方でイランは、自国の許可なしにホルムズ海峡の通航を試みないよう、すべての船舶に警告した。イランは4日に韓国の貨物船を攻撃したほか、UAEの国営石油会社アブダビ国営石油(ADNOC)が所有する石油タンカーにも攻撃を加えた。いずれの船舶でも負傷者は報告されていない。

米中央軍のクーパー司令官は4日遅く、米船籍の船舶2隻の通航を支援する中、イランのドローンやミサイル、小型武装艇による攻撃を撃退したと明らかにした。

こうした動きは、イランと米国の交渉が膠着する中で起きたもので、双方とも近く新たな和平協議に合意する兆しは乏しい。

イラン側は、協議再開には米国が海上封鎖を解除する必要があると主張している。これに対し米国は、封鎖によってイランの石油輸出を抑え、経済を圧迫することで譲歩を迫っていると説明している。

ブルームバーグ・エコノミクスのベッカ・ワッサー氏は「『プロジェクト・フリーダム』は、世界経済に長く影を落としているホルムズ海峡の膠着状態を打開する試みとみている」としたうえで、「ただ、4日に戦闘が発生したことが示すように、事態が一段とエスカレートする大きなリスクを伴う」と語った。

原題:US Says Iran Ceasefire Still in Place After Clashes Over Hormuz(抜粋)

--取材協力:Arsalan Shahla.

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