中国の習近平国家主席がタイのペートンタン首相と会談し、両国の関係を強化する方針を確認したほか、タイとミャンマーの国境周辺で活動する中国系の大規模な犯罪集団への対応などについても協議しました。

中国国営の中央テレビによりますと、習近平国家主席は6日午前、北京を訪問しているタイのペートンタン首相と会談しました。

習主席は「今年は中国とタイの国交樹立50周年にあたる」と指摘したうえで、「両国は共に手を携え、地域や世界により多くの恩恵をもたらさなければならない」と述べました。そのうえで、「中国とタイを結ぶ高速鉄道などの旗艦プロジェクトを推進し、早期に、より多くの成果をあげたいと考えている」と強調しました。

また、タイとミャンマーの国境付近を拠点にする中国系の犯罪集団が人身取引で集めた外国人らをオンライン詐欺に加担させている問題をめぐって、習主席は「両国は法の執行と司法の協力を強化し、国民の生命と財産を守らなければならない」などと述べ、協力して対応していく考えを示しました。これに対してペートンタン首相は「国交樹立50周年の年に訪中できたことをうれしく思う」としたうえで、「タイは中国や近隣諸国と法執行の協力関係を強化し、詐欺などの国際犯罪に対抗するため断固とした措置をとっていきたい」と応じました。