トランプ米政権は、ベネズエラから米国に避難している約35万人に対する一時保護資格(TPS)の延長を認めず、国外送還の道筋を整えた。

米国土安全保障省は連邦公報に今週掲載される通知文書で、今回の決定に伴いTPSは掲載から60日後に失効すると明らかにした。TPSが失効すれば、国外送還からの保護と米国で働く権利を失う。

ノーム国土安全保障長官は「対象となるベネズエラ国民の米国での一時滞在を認めることは国益に反すると判断した」と説明。バイデン前政権はベネズエラ人約60万人に対するTPS適用の18カ月延長措置を1月に公布したが、ノーム氏はこれを既に取り消した。

グレネル米大統領特使とベネズエラのマドゥロ大統領の1月31日の会談を受け、ベネズエラは米国からの移民送還を受け入れる見通しだ。

今回の国土安全保障省の決定は、2023年にTPSを付与されたベネズエラ移民が対象。別のグループは21年の決定に基づいて保護されているが、そのTPSも今年9月に失効する。

トランプ大統領はベネズエラ以外の国のTPSも取り消す意向を繰り返し表明している。TPSプログラムは本国で政治抗争や自然災害、武力紛争が発生した際、既に米国に滞在している外国人に対し、在留資格の有無にかかわらず、強制送還からの保護を提供することを目的としており、ハイチやウクライナを含む17カ国の約100万人が対象となっている。

ベネズエラでは暴力や貧困、高インフレから逃れようと国外に脱出する人が増えており、ここ数年はメキシコ経由の不法入国者の中でベネズエラ人が上位を占める。ベネズエラ人向けのTPSプログラムは当初広く支持されていたが、その後より厳しい規制が必要と主張する共和党議員らの批判を浴びた。

原題:Trump Scraps Deportation Shield for 350,000 Venezuelan Migrants(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.