ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー傘下のケーブルテレビ局HBOのドラマ「ホワイト・ロータス / 諸事情だらけのリゾートホテル」のシーズン3が2月16日に初公開される。新シーズンはタイが舞台だ。

最初の2シーズンは、舞台となったハワイとシチリア島にスポットライトを当てただけでなく、現地のフォーシーズンズホテルをポップカルチャーの象徴に変え、それぞれの土地をぜいたくな旅の行き先として広く定着させた。

次はタイの番だと、タイの観光当局、ホテル経営者、旅行代理店は観光客の急増を期待している。

「シーズン1と2の放送後、ハワイとシチリアへの観光客は20%以上増加したと思う」とタイ国政府観光庁ニューヨーク事務所の所長であるチョンピュー・マルサチョット氏は語る。「タイでも同じ勢いになることを願うばかりだ」。

チョンピュー氏は予想以上の反響に驚くかもしれない。シーズン3については、主要なロケ地が1カ所ではなく、タイ国内の複数の場所やホテルで撮影されるという事実など、既に幾つかの重要な詳細が漏れ伝わっており、番組で紹介されると予想される背景に合わせて旅行計画を立て始めているファンもいる。

また、来訪者の増加は、高額な支出を行う人数も増えることを意味するだろう。フォーシーズンズリゾートコサムイなどのホテルでは、モンスーンシーズンでも1200ドル(約18万5000円)を超える料金が設定されている。

旅行代理店のフォーラでは既に「微笑みの国」タイへの旅の需要が急増している。

「最近、あるカップルが『来シーズンのホワイトロータスはタイが舞台と聞いたが人気が出る前に同じリゾートを予約できるだろうか』と聞いてきた」と、同社のアドバイザーであるラビア・マリク氏は話した。「そのカップルの旅行を全てフォーシーズンズリゾートコサムイを中心に計画した。数週間後にそこに向かうことを、彼らはとても楽しみにしている」という。

注目のホテルだけでなく、タイ全体も活気づいている。1月にはフォーラでのタイ旅行の予約件数が前年同月と比較して312%増となった。この数字は、これまでのホワイトロータスのロケ地が記録した急増と同等のものだ。高級ツアーオペレーターのブラック・トマトによると、2024年には、シーズン2の終了後にシチリア旅行の売り上げが3倍になった。

チョンピュー氏が期待する20%の増加はより控えめなものだが、それでもタイの観光客数が新型コロナウイルス流行前のレベルに回復するには十分な数字だ。

これまでのシーズンと同様、シーズン3の8つのエピソードでは、5つ星リゾートのスタッフを振り回す金持ち客たちの冒険と活躍が描かれる。

マンダリン・オリエンタル・バンコクやアナンタラ・マイカオ・プーケット・ヴィラなど、さまざまなタイのクラシックホテルの従業員が番組に参加したことを明かしているが、トロントを本拠とするフォーシーズンズホテルズ&リゾーツはHBOと独占的なマーケティングパートナー契約を結び、架空のブランドである「ホワイトロータス」の実在するバージョンとして宣伝する権利を確保した。

マンダリン・オリエンタルとアナンタラの従業員は、契約によって映画のロケ地としての役割を公に宣伝することが許されていなくても、番組の知名度から恩恵を受けたいと話している。従業員らはHBOとの守秘義務契約により匿名でブルームバーグの取材に応じた。

原題:Ahead of ‘The White Lotus,’ Thailand Expects Big Tourism Boost(抜粋)

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