米国の小中学生の間で読解力の低下が進んでいる。4年生と8年生(日本の中学2年生に相当)を対象に昨年実施された読解力の全国試験では、過去20年余りで最悪の結果が示された。

全米学力調査(NAEP)の29日発表によると、2024年の試験において読解力の平均スコアが低下。試験を実施する全米教育統計センター(NCES)のペギー・カー委員は、「これは重大な懸念事項だ」と指摘。「米国は読解力に関して複雑な課題に直面している」と述べた。

この学力調査は議会が定めたもので、2年ごとに実施されている。

8年生の約3分の1は、読解力のスコアが基礎レベルを下回った。また4年生では約40%が基礎レベルに届かず、割合としては2002年以降で最大となった。

今回の調査では全米数千の公立・私立学校の4年生23万5000人余り、8年生23万人余りが試験を受けた。調査は抽出方式。試験結果については、達成度合いに応じて上級レベル、習熟レベル、基礎レベルという3段階の評価基準が設けられている。

試験の方針を決定する全米調査運営委員会(NAGB)のエグゼクティブディレクター、レズリー・マルドゥーン氏は、もし基礎レベルの結果を出せない4年生がいた場合、そうした生徒は「聞き慣れた単語の意味を本文の文脈から判断することができないだろう」と指摘。「これは極めて重要なスキルだ」と続けた。

今回の調査では、22年の試験結果との比較で読解力の低下が示された。NCESのカー委員によれば、読解力の低下は17年から19年にかけて初めて報告され、全般的に低下傾向が続いているという。

読解力のスコア低下についてカー氏は「単にパンデミックが原因ではない」とし、多面的な問題だと指摘。趣味で読書をする生徒が減っていることや、教師が生徒への課題で作文による回答を指示していないことが示されていると述べた。

「生徒は端末を使って読書している」とも指摘した。

NAGBのマーティン・ウェスト委員は、試験結果は総じて悪化傾向が続いているとした上で、24年のスコアは過去と比較して低く、また不均衡さの度合いがより強いと述べた。

同委員は、「読解力の回復に必要な機会や支援を今後も生徒に提供できなければ、パンデミック世代の生徒、さらに国家全体にとっても問題になるだろう」とし、「NAEPのような試験で測定されるスキルは、個々の生徒、労働市場での長期的展望、また成人期における国家レベルでのさまざまな側面において重要だ」と語った。

原題:US Students’ Reading Scores Drop to Worst in More Than 20 Years(抜粋)

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