27日の東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=155円台前半に上昇。トランプ米大統領がコロンビアに対する関税賦課を明らかにしたことで、今後の米関税政策による世界経済への悪影響を懸念して、クロス円を中心にリスク回避の円買いが優勢となっている。

ソニーフィナンシャルグループの森本淳太郎シニアアナリストは、リスク回避的な円買いが見られると指摘。「先週のトランプ氏は中国への関税などで警戒されたほど強硬ではなかったが、いろいろな国に対して関税をかけていくことになれば懸念が強まる」として、円はドル以上に買われやすいと述べた。

トランプ米大統領は26日、米国からコロンビアに強制送還される不法移民を乗せた米軍用機の着陸をコロンビアが拒否したため、同国に対する関税賦課と制裁措置を表明した。

SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、コロンビアへの関税の世界経済への影響は限られるものの、トランプ氏が今後も関税を交渉手段として使っていくことが分かり、「欧州など他の国にもかけていくのではないかといった不安感がある」と指摘。関税を使った今後の交渉には不透明感が強く、「ドルも安心しては買えない」と述べた。

一方、28、29日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)とパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見を見極めようと慎重姿勢も広がる。ソニーFGの森本氏は「利下げは見送られる見通しだが、次の利下げの時期についてもヒントは出てこないだろう」と述べており、ドルを支える可能性があるとみられている。

 

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