(ブルームバーグ):24日の外国為替市場で、円は下落に転じた。日本銀行の植田和男総裁は次回の利上げ時期について、ほとんどヒントを与えなかった。
ロンドン時間24日午後1時過ぎ、円は0.3%安の1ドル=156円58銭と日中安値を更新。日銀が昨年7月以来となる利上げを発表した後、一時0.8%高まで上昇していた。
日本国債も下落。金融政策への感応度が高い2年債と5年債の利回りは、2008年以来の高水準を付けた。東証株価指数(TOPIX)と日経平均株価も上げを消した。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)のシニアストラテジスト、エリアス・ハダッド氏は「短期金融市場で現在示唆されているよりも高いターミナルレートを正当化するような、タカ派的なサプライズは日銀から出なかった」と指摘。「これは積極的なペースの引き締めとは相容れない」と続けた。

この日の決定で日銀は1年足らずの間に3回の利上げを行ったことになり、政策金利は2008年以来の高水準に達した。今や注目は次回利上げの時期で、翌日物金利スワップ(OIS)は7月までに追加利上げがある確率を約68%、10月までにある確率を100%織り込んでいる。
24日の利上げは、これまで円を圧迫してきた日米金利差の縮小にも役立った。日銀が大半の物価予測を引き上げ、そのうち6つの上昇率を2%以上としたことから、金利差は年内に一定程度のさらなる縮小に向かう可能性が高そうだ。
ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)のFX戦略責任者、アルビン・タン氏(シンガポール在勤)は年内にもう1回の利上げが自身の基本シナリオだとしつつ、「自分の見解では、今年3回の利上げがあるリスクが高まっている」と語った。
原題:Yen Retreats After BOJ Hikes Rates, Ueda Leaves Options Open(抜粋)
(第5段落以降に情報を加えます)
--取材協力:日高正裕、Winnie Hsu、Brett Miller.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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