マレーシア当局は、ナジブ元首相が関与した政府系投資会社「1マレーシア・デベロップメント(1MDB)」の汚職・資金流用事件を巡り、押収されたピカソやミロ、マチスなどの芸術作品12点(推定価値3000万ドル=約46億8000万円余り)が同国に返還されると発表した。

マレーシア汚職防止委員会(MACC)の13日の発表によれば、1MDBの元弁護士が購入した芸術作品は、米司法省の管理下に置かれ、2大オークションハウス(競売会社)のサザビーズとクリスティーズが米国で保管していた。米・マレーシア当局間の協議を経て、返還される運びとなった。

米司法省によれば、ピカソの静物画のほか、ニューヨークのパークアベニューのコンドミニアムやダイヤモンドの宝飾品、豪華ヨットが1MDBから不正に流用された資金で購入されたとされる。

MACCと米司法省、連邦捜査局(FBI)の間で先週行われた協議では、資金流用疑惑の中心人物で逃走中のロー・テック・ジョー被告のほか、1MDBの社債発行をアレンジしたゴールドマン・サックス・グループの元シニアバンカー、ティム・ライスナー被告、ナジブ元首相の義理の息子である映画プロデューサーについても取り上げられた。

45億ドルの資金が不正に流出した1MDB事件の首謀者とされるロー被告は、中国に潜伏していると伝えられており、マレーシア当局は被告の送還を目指している。

原題:Malaysia to Get Picasso, Matisse Artworks Linked to 1MDB Lawyer(抜粋)

--取材協力:Y-Sing Liau.

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