カナダの資産運用会社ブルックフィールド・アセット・マネジメントは、住宅事業を手掛ける米スタートアップ企業ディビー・ホームズを約9億5000万ドル(約1490億円)で買収することで合意に近づいている。事情に詳しい関係者が明らかにした。ディビーは3800戸の一戸建て賃貸物件を抱える。

非公開情報を理由に関係者が匿名で明らかにしたところでは、これら住宅の約65%は米アトランタやダラス、タンパなどの市場にある。買収後、ブルックフィールド傘下のメイモント・ホームズが約2万の物件を管理することになる。

最終決定には至っておらず、決裂する可能性もあると関係者は述べた。ブルックフィールドとディビーの担当者はコメントを控えた。米誌ファスト・カンパニーはこれより先に、両社が合意間近だと金額を示さずに報じていた。

ディビーは2017年にアデナ・ヘフェッツ最高経営責任者(CEO)によって共同設立され、譲渡型賃貸モデル「レント・トゥ・オウン」を採用している。同社は顧客に代わって住宅を取得し、顧客は将来住宅を購入する契約上のオプション付きでその物件を賃貸する。

当時、住宅価格の高騰と低金利により、購入希望者にとって魅力的な仕組みだった。ベンチャーキャピタル企業もこのアイデアを支持。21年、ディビーはタイガー・グローバル・マネジメントとカフェネイテッド・キャピタルが主導した新規の資金調達ラウンドで、20億ドルとの評価を得た。

しかし、金利上昇は同社のビジネスモデルに打撃を与え、顧客がオプションを行使することが難しくなり、同社の資本コストも上昇した。同社は23年8月のブログ投稿で、住宅取得を一時停止し「金利が十分に低下した時点で」再開する計画だと発表した。その後まもなく人員整理を実施した。

関係者によると、ディビーの購入オプションは履行される見通し。

ブルックフィールドのグローバルな不動産ポートフォリオには、賃貸集合住宅や倉庫、オフィスなどさまざまな物件が含まれる。20年には一戸建て住宅の賃貸事業を展開するコンレックスの経営支配権を取得したほか、住宅を取得する事業体向けに3億ドルを調達したとブルームバーグ・ニュースが当時報じていた。

同社は住宅用不動産事業を強化している。同社ファンドは昨年、テキサスA&M大学などの学生寮物件のポートフォリオ8億9300万ドル相当を買い取った。

原題:Brookfield Said to Near $950 Million Deal for Divvy Homes (1)(抜粋)

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