トランプ米大統領は21日、米政府との合弁事業の一環として中国系動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)をイーロン・マスク氏もしくはオラクルのラリー・エリソン会長が買収することにオープンとの立場を示した。

トランプ氏はエリソン氏と共に出席したホワイトハウスでのイベントで、「私には取引する権利がある」と述べ、「それを買い、半分を米国に、半分をあなたに与える。そして、われわれがあなたに許可を与える」ということを考えていると明らかにした。

バイデン政権下の昨年4月、TikTokの親会社である中国の字節跳動(バイトダンス)がTikTokの米事業を売却しなければ、米国でTikTokの利用を禁止するという法律が成立。

売却がまとまらず、先週末TikTokは一時的に米国で利用できなくなったが、トランプ氏は大統領就任初日の20日、売却期限を75日間延長する大統領令に署名した。トランプ氏に期限を延長する権限があるかどうかは不明だが、最終的には問題視されない可能性もある。バイトダンスはTikTokの米事業売却を拒否している。

トランプ氏は「価値のない資産か、あるいは1兆ドル(約155兆円)の価値を持つ資産のどちらか」になると指摘。「全ては米国が許可を与えるかどうか次第だ」と強調した。

同氏は発言の最後に、自身の携帯電話にTikTokをダウンロードするかもしれないと示唆。「入れてみようかな。今すぐにでも。ところで、今回も若い世代の票を獲得した。TikTokのおかげで勝てたと考えている。TikTokには思い入れがある」と語った。

テクノロジー起業家のジェシー・ティンズリー氏がまとめた米国の投資家グループは21日、TikTok買収を目指すと発表。米大リーグ、ロサンゼルス・ドジャースの元オーナーで億万長者のフランク・マッコート氏と投資家ケビン・オリアリー氏も今月に入り、TikTok買収を正式に申し出ている。

エリソン氏は新たな人工知能(AI)共同事業をソフトバンクグループおよび米オープンAIと共に発表するため、ホワイトハウスを訪れた。

原題:Trump Backs Musk or Ellison Buying TikTok With Government Stake(抜粋)

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