米ニューヨーク市警(NYPD)の新たなルールで、警察車両を使った容疑者の追跡が制限されることになった。危険なカーチェイスを巡る安全上の懸念に対処するための措置だ。

NYPDのティッシュ本部長が15日に発表した新方針の下、パトカーでの追跡はより深刻な暴力犯罪などのケースに限定され、軽微な違反では禁止される。新ルールは2月1日付で実施される。

これにより、生死にかかわるカーチェイスに踏み切るかどうかについて瞬時の判断を迫られた警官の負担軽減を図る。また、住宅地や学校、公園付近などでのカーチェイスを抑制したり、安全上の理由で追跡を中止した警官が処分を受けるのを防いだりする狙いもあり、記録の仕方やトレーニング要件なども刷新される。

昨年11月下旬に就任したティッシュ本部長は声明で、「警官が市街地で車両での追跡を行うかどうかを判断する際には明確な指針と賢明な手順が必要だ」と指摘。「市警の執行活動によって、市民や警官が必要以上のリスクにさらされることがあってはならない。違反行為や軽犯罪に対する追跡は危険を伴う可能性があり、不要な場合もある」と説明した。

ここ数年、警察車両による追跡と衝突事故が急増している。NYPDによれば、2024年の追跡件数は2278件に上り、その4分の1が衝突や物的損害などにつながったほか、3分の2強は交通違反の取り締まりが発端だった。警察の追跡により、少なくとも315人が負傷し、7人が死亡した。

原題:NYPD Reforms Car Chase Policy Amid Rising Crashes, Injuries(抜粋)

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