(ブルームバーグ):18日の日本市場では株式で自動車株が買われている。日産自動車とホンダが経営統合を検討していることが明らかになり、日産株は一時制限値幅いっぱいのストップ高まで急伸。株価指数は軟調な場面が目立つものの、自動車を含むTOPIX輸送用機器指数がけん引する形でプラスに浮上する場面がある。
一部報道によると、日産とホンダは経営統合の協議入りを23日にも正式に発表する見通し。市場では統合が実現すれば、経営面で厳しい状況にある日産にとって救済になり得るとの期待が広がっている。
いちよしアセットマネジメントの秋野充成社長は、統合だけで日産のファンダメンタルズが良くなるわけではないとしながらも、同様のケースが他の業界でも出てくる可能性があり、企業の経営改革にスピード感が出てくるようなら日本株全体にとって悪い話ではないとの見方を示した。
米連邦公開市場委員会(FOMC)と日本銀行の金融政策決定会合の結果発表を日本時間あすに控え、円相場は153円台半ばで推移。債券は上昇している。金利スワップ市場ではFOMCでの利下げがほぼ完全に織り込まれている一方、日銀の利上げ織り込みは2割前後で推移している。
株式
東京株式相場は下落。FOMCと日銀会合を前に投資家の様子見姿勢が強まっている。前日の米半導体株安や前日夕と比べた為替の円高が重しとなり、電機などが下げている。
一方、ホンダと日産が経営統合に向けて協議することが明らかになり、再編期待から自動車や自動車部品など輸送用機器セクターが買われていることは相場の支えだ。証券株も高い。
大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストは、市場では日銀の利上げ見送りが予想されているが、「最終的なニュアンスを確認したい」と指摘。イベント通過後は、株価上昇に向けてモメンタムが強まりやすいとみている。
この日上場したキオクシアホールディングスは公開価格比1%安で寄り付いた後、徐々に買い注文が集まり、公開価格と比べた上昇率は一時10%を超えた。
為替
東京外国為替市場の円相場は1ドル=153円台半ばで推移。FOMCと日銀会合を前に持ち高調整でドルが売られ、円が買われる場面もあった。
ソニーフィナンシャルグループの森本淳太郎シニアアナリストは「特に材料は出てないが、FOMCと日銀会合を前にしたポジション調整でドルがやや売られた」と語る。
一方、三菱UFJ信託銀行ニューヨーク支店資金証券室のバイスプレジデント、小野寺孝文氏は、タカ派的な米利下げに続いて日銀が利上げを見送れば、ドルは155円を突破する可能性があるとみる。ドル・円はテクニカル面で上昇の「モメンタムが強い」とし、植田和男総裁が来年1月の利上げを強く示唆しない限り、円売り圧力が強まると予想した。
債券
債券相場は上昇。きょうから2日間の日程で行われる日銀の金融政策決定会合で利上げ見送りが見込まれる中、来年1月会合でも利上げしない可能性が意識され、買いが優勢となっている。
金利スワップ市場では1月23、24日の会合までの利上げ確率が63%台と約1カ月半ぶりの水準に低下。11月25日には88%台まで上昇していた。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広シニア債券ストラテジストは「会合後の植田総裁の会見で1月会合での利上げ見送り観測が強まるリスクがくすぶっている」と指摘。その一方で、日本時間19日未明にFOMCの政策発表を控える中、1月の日銀利上げの可能性も残ることから、相場が一方向に動いていく可能性は低いのではないかとも述べた。
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