ソフトバンクグループ傘下の英アーム・ホールディングスと米クアルコムとの訴訟の陪審審理が、米デラウェア州の連邦地裁で始まった。テクノロジー業界を混乱させかねない知的財産権を巡る係争で、世界的に最も影響力のある半導体メーカー2社が争う。

クアルコムによる半導体スタートアップ、ヌビアの2021年の買収と、アームの技術を使用するライセンス契約が訴訟の争点だ。クアルコムはアームの最大顧客の1社で、長年のパートナー企業だが、亀裂が深まった。

アームはヌビアを買収したクアルコムとの間で、契約を再交渉する必要があったと主張し、買収で得た半導体の設計を破棄するようクアルコムに要求している。

クアルコムは、アームのテクノロジーに関する別のライセンス契約でヌビアの業務も対象になるという立場だ。クアルコムは、コンピュータープロセッサー市場への参入でヌビア製品に期待している。

世界トップクラスのテクノロジー企業の多くが、アームとクアルコムからライセンス供与されるテクノロジーに依存している。1週間続く審理は広範な影響を及ぼす可能性があり、半導体業界が注視している。

アームのレネ・ハース最高経営責任者(CEO)は初日の16日、「ライセンス供与していないわれわれのテクノロジーを使用している者がいる。アームは知財企業であり、発明を保護しなければならない」と陪審に訴えた。

クアルコムの代理人であるカレン・ダン弁護士は、同社がアームの技術を使用する独自のライセンスを保有し、常に「契約を尊重してきた」と反論。アームの経営幹部がクアルコムのライセンス契約の強い効力を認めていたことを示す社内文書が陪審に提示されるだろうと説明した。

両社は審理開始前の段階で、コメントを控えた。

原題:Arm-Qualcomm Contract Fight Threatens to Upend Chip Industry (1)(抜粋)

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