債券投資家が2026年の米金融政策と米国債市場の行方について描く大枠の見通しは、なお続く余地がありそうだ。

9日に発表された25年12月の米雇用統計では、雇用者数の伸びが市場予想を下回った。これにより、米金融当局が景気を下支えするために追加利下げを行うとの見方は維持された。その結果、金融政策に最も敏感な短期債が今年は長期債を上回るパフォーマンスとなり、長短利回り格差が拡大するとの見方に対する確信が強まった。

スティープナー取引と呼ばれるこのポジションは、25年の大半で最も人気の高い債券戦略の1つとなり、債券運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)などを引き付けた。26年も好調なスタートを切っている。2年物米国債と10年物米国債の利回り格差は先週、ここ約9カ月で最大となった。

キャピタル・グループの債券ポートフォリオマネジャー、プラモド・アトゥルリ氏は「われわれは長期投資家で、今後1-2年にわたりスティープナー取引がうまく機能するシナリオは数多くある」と述べた。

今回の米雇用統計は、この戦略を巡る波乱含みの局面に区切りを付けた。9日にはトランプ関税を巡り、連邦最高裁が判断を示す可能性も注目されていたが、結果的に判断は持ち越しとなった。ただ、関税による歳入を考えれば、トランプ大統領に不利な判断が出た場合は、米国債に下押し圧力がかかると見込まれている。

投資家はまた、トランプ氏がファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)に2000億ドル(約31兆6200億円)相当の住宅ローン債券を購入するよう指示したことも消化した。

 

インフレの壁

データ面の焦点は、13日に発表される昨年12月の消費者物価指数(CPI)に移る。同統計ではインフレ高止まりが示され、米金融当局が利下げを一時停止するとの見方を裏付けると予想されている。

米金融当局は昨年9月以降に3回の利下げを実施しており、トレーダーは次回利下げが26年半ばで、その後10-12月(第4四半期)にもう1回行われるとみている。利下げ時期を巡る見通しの変化は、イールドカーブ(利回り曲線)のスティープ化を見込んだ取引を引き続き揺さぶることになる。

ソシエテ・ジェネラルの米金利戦略責任者、スバドラ・ラジャパ氏は、この取引の勢いは弱まりつつあると指摘する。

「イールドカーブがこれ以上スティープ化する余地はあまりないとみている。労働市場の安定と根強いインフレは、利下げ回数が少なくなることを示唆している」と述べた。

注目すべき点として、9日の雇用統計では12月の失業率低下も示された。これにより、今月の利下げ観測はほぼ後退し、スティープナー取引は一部巻き戻された。2年物と10年物の利回り格差は、昨年末以降で最小に縮小した。

もっとも大局的には、この戦略は依然として米国の債券運用者に選好されている。JPモルガン・チェースの分析によると、アクティブ運用の大規模コア債券ファンド25本では、このポジションへのエクスポージャーは歴史的に見てなお大きい水準にある。ただ、昨年末以降は保有をやや縮小している。

原題:Bond Traders’ Big Bet for 2026 Vindicated by Soft US Job Growth(抜粋)

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