(ブルームバーグ):米州立大学コネティカット大学の寄付基金は、6億3400万ドル(約980億円)規模の投資ポートフォリオにおいて、ヘッジファンドからの撤退を進め、より低コストでリスクを削減できる上場投資信託(ETF)「バッファーETF」にシフトしている。
同大学の寄付基金、コネティカット大学財団は、直近の会計年度にヘッジファンドへのエクスポージャーをほぼ全て売却し、バッファーETFを購入した。同基金の投資委員会のデービッド・フォード委員長が明らかにした。
バッファーETFは、リターンに上限を設ける代わりにオプションを利用して損失を制限する。同ETFの人気は高まっており、運用資産は580億ドルを突破。ほぼ全ての資金が過去3年以内に集まった。
これは機関投資家の間でバッファーETFの採用が広がり始めていることを示唆していると、市場ウォッチャーらは指摘する。
フォード氏によれば、ヘッジファンドは「自らの成功の犠牲」になっており、多くのヘッジファンドは規模があまりにも大きくなったため、リターンが悪化している。エール大学の故デービッド・スウェンセン氏がオルタナティブ戦略を資産配分に取り入れることで寄付金運用に革命をもたらした後の数年間と比較すると、特にこれが顕著だという。
バッファーETFは、ヘッジファンドを利用するよりも、低コストで容易にポートフォリオのボラティリティーを低下させられる上に、流動性を高める効果もあると、フォード氏は説明した。

トップクラスのヘッジファンドは従来、運用資産の2%を管理手数料として、利益の20%を成功報酬として顧客から受け取ることが多かった。
一方、コネティカット大学は、イノベーター・キャピタル・マネジメントが運用するバッファーETFを購入。ブルームバーグ集計のデータによると、同ETFの平均手数料は0.8%となっている。
原題:UConn’s Endowment Is Abandoning Hedge Funds for New Kind of ETF(抜粋)
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