(ブルームバーグ):米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)と人工知能(AI)検索スタートアップのパープレキシティは、トランプ次期米大統領の就任式関連の基金にそれぞれ100万ドル(約1億5400万円)を寄付する。AI企業が相次いで次期政権との関係強化を試みていることを示唆している。
バイデン大統領の2024年再選キャンペーンに寄付したこともあるアルトマン氏は今回、自己資金からトランプ氏側に100万ドルを提供する計画だ。ブルームバーグ・ニュース向けの声明で、「トランプ次期大統領は米国をAI時代に導くだろう。米国が優位に立ち続けるための取り組みを支援したい」と表明。アルトマン氏の寄付についてはFOXニュースが先に報じていた。
パープレキシティのドミトリー・シェベレンコ最高ビジネス責任者(CBO)によると、同社は資金支援に加え、「次期政権の良きパートナー」になりたいとの考えから、自社プレミアム・ソフトウエアの無料版をトランプ氏のチームに提供。シェベレンコCBOは「規制にとらわれることなく、AI分野の公平な競争の場を整備すること」など、トランプ氏のテクノロジー政策に熱意を示した。
トランプ氏が11月の大統領選に勝利したことで、同氏を支持する実業家イーロン・マスク氏は米政治における影響力を新たに獲得。このため、マスク氏が新興企業「xAI」など自身の会社に有利になる政策を追求するのではないかという懸念が広がっている。マスク氏と衝突してきたアルトマン氏は最近、マスク氏がオープンAIなどライバル企業に対して政治力を行使するとは思わないと述べた。
トランプ氏に接近
トランプ次期大統領に接近しようとしているテクノロジー企業の経営者は、アルトマン氏だけではない。トランプ氏はアマゾン・ドット・コムの創業者、ジェフ・ベゾス氏と今週会うことを明らかにした。メタ・プラットフォームズの創業者マーク・ザッカーバーグ氏も最近、トランプ氏とマールアラーゴで夕食を共にした。ベゾス、ザッカーバーグ両氏はトランプ氏の怒りの的となったこともある。
アマゾンとメタもトランプ氏の就任式基金に100万ドルを寄付することを約束している。
パープレキシティのシェベレンコ氏は、同社がトランプ政権1期目にはまだ誕生していなかった新しい企業であり、 「こじれた関係の修復ではなく関係構築のみに関心がある」と述べた。
原題:OpenAI CEO, Perplexity Give $1 Million to Trump’s Inaugural Fund(抜粋)
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