(ブルームバーグ):フランスの高級品ブランド、シャネルは12日、ケリング傘下ボッテガ・ヴェネタでクリエーティブディレクターを務めるマチュー・ブレイジー氏を新たなトップデザイナーに任命した。シャネルのトップデザイナーはファッション業界で最も切望される役職の一つだ。
発表資料によると、ブレイジー氏の就任は来年だが、具体的な時期は不明。同氏はシャネルのファッション部門トップ、ブルーノ・パブロフスキー氏の直属となる。
パブロフスキー氏は任命理由としてブレイジー氏の制作に対する「革新的なアプローチ」を挙げた。
著名デザイナーとしてシャネルに36年間君臨していたカール・ラガーフェルド氏が2019年に死去した後、社内のベテラン社員、ビルジニー・ビアール氏が後を引き継いだ。今年6月にビアール氏の突然の退任が発表されてから後任を巡りさまざまな臆測が数カ月間飛び交っていたが、最終的には社外からブレイジー氏が起用された。
独特かつクラシックなスタイルで知られるシャネルは、ジャッキー・ケネディ氏をはじめ、最近ではペネロペ・クルス氏、マーゴット・ロビー氏などの著名人に愛用されている。
今回の起用はブレイジー氏にとって大きな飛躍であり、ファッション業界の重鎮らに仲間入りすることになる。シャネルはケリング傘下で最も小さいブランドの一つであるボッテガ・ヴェネタの10倍余りの規模を誇る。
世界中で高級品に対する需要が低迷する中、シャネルは非公開企業という立場もあり、「グッチ」などを擁するケリングなどの競合他社よりも不況をうまく乗り越えてきた。ベルテメール兄弟のアラン、ジェラール両氏がオーナーを務めるシャネルは年1回、通常は5月に通期決算を発表する。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、両氏の推定純資産額はそれぞれ約455億ドル(約6兆9600億円)。
原題:Chanel Picks Kering’s Blazy for Coveted Artistic Director Role(抜粋)
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