(ブルームバーグ):スウェーデンのフィンテック企業クラーナ・グループは、数百人の業務を代行する人工知能(AI)に投資したことで、1年前から人材採用を停止していることを明らかにした。
その間、人員は主に自然減で22%削減し、3500人となった。同社のセバスチャン・シーミアトコウスキー最高経営責任者(CEO)が12日、ニューヨークでのブルームバーグテレビジョンとのインタビューで語った。ソフトバンクグループなどが出資している同社では現在、約200人がAIを主要業務に活用しているという。
同氏によると、賃金の総額は減少している一方、AIがもたらす生産性向上の大部分を給与として還元することを約束し、従業員から移行に同意を得ている。

クラーナは今年初め、米オープンAIが関わるAIツールが、700人のフルタイムのカスタマーサービス担当者と同等の業務をこなしていると明らかにした。直近の決算発表では、「AI生成バージョン」のCEOが業績を発表。最終的にすべての仕事をAIが代替できることを証明しようとしたと、シーミアトコウスキー氏は説明している。
クラーナは11月、新規株式公開(IPO)に向け登録届出書の草案を、米証券取引委員会(SEC)に非公開の形で提出した。同社はコスト削減を進めており、今年1ー9月は損益分岐点にほぼ達した。
クラーナは世界で8500万人の顧客を抱え、米国で急速に事業を拡大してきた。シーミアトコウスキー氏は、欧州と同様の形で米国でも最終的に銀行業を展開したいと語った。
トランプ次期大統領が米国に10億ドル(約1530億円)投資した場合に許認可を迅速化する方針を示したことに関しても、前向きに検討する姿勢を示した。
原題:Klarna Stopped All Hiring a Year Ago to Replace Workers With AI(抜粋)
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