主要債券指数も上昇、前回のトランプ・ラリーのような現象はなく、市場は全体に落ち着いた状況
商品市場では、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格は前回2ケタの上昇率でしたが、今回は下落に転じています。このほか、先進国株価指数は上昇、新興国株価指数は下落と、前回と同じ傾向が確認されましたが、前回下落した世界国債指数、世界投資適格社債指数、世界ハイイールド債券指数、新興国ソブリン債券指数の4指数は、今回そろって上昇しています。
このように、米大統領選挙後1か月ほどの各市場の動きを検証すると、前回2016年当時と異なるところも多く確認され、少なくともトランプ・ラリーのような現象が市場全体に広がっているようには思われません。まだ1か月程度なので、早計な判断は禁物ですが、市場は次期トランプ政権の政策に対する期待と不安が交錯するなか、今のところ比較的落ち着いた状況にあると考えられます。
(※情報提供、記事執筆:三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト 市川雅浩)