米半導体メーカーのインテルやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、テキサス・インスツルメンツ(TI)などは自社技術をロシア製兵器に使われることを防がなかったとして、数十人のウクライナ市民を原告とする訴訟が10日、米テキサス州裁判所に提起された。

被告には、ウォーレン・バフェット氏の投資会社バークシャー・ハサウェイが保有するマウザー・エレクトロニクスも含まれている。訴状では、米国が制裁の対象としている半導体を第三者がロシアへ転売し、ドローン(無人機)やミサイルに使用するのを被告企業は「故意に無視した」と主張している。

2023年から25年にかけて行われた5回の攻撃で、ウクライナ市民数十人が殺害されたと訴状は指摘。このうち1件の攻撃では、インテルやAMDに関連する部品を使用したイラン製無人機が使われた。他の攻撃では、ロシア製のKH-101巡航ミサイルやイスカンデル弾道ミサイルも使用されたという。

テキサス・インスツルメンツとAMD、インテルにコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。各社はこれまで、制裁要件を完全順守し、戦争勃発時にロシアでの事業を停止して以降、コンプライアンス監視の厳格な方針を維持していると説明してきた。

テキサス・インスツルメンツの法務顧問に携わるシャノン・トンプソン氏は、昨年の議会証言で「当社製品がロシアの兵器に使用されることには断固反対する」と述べ、そうした出荷は「違法であり、当社は承認していない」としていた。

原題:Intel, AMD Accused of Failing to Block Chips in Russian Missiles(抜粋)

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