まとめ
このレポートでは、10年および20年という投資期間を設定し、過去のデータを用いて試算を行い、同じ元本での積立投資と一括投資の投資結果を比較した。結果として、積立投資と一括投資とのリターンにあまり差はないが、実質的な投資金額×投資期間が大きい一括投資の方が資産形成のスピードが速く、最終時価残高が大きくなる可能性が高いことが分かった。
投資初心者は少額でも良いので、高いリターンが期待できる米国株式型等の市場インデックス型の投資対象に無理のない範囲内で積立投資をコツコツと長期的に継続することが大切である。積極的にリスクを取ることで、資産形成が速く進むことになる。なお、株式暴落時に慌てて売ったりしない方が良い。さらに、資産形成が順調に進み、資金的に余裕が出てきたら、あまりタイミングを気にせずに一括投資すれば、将来の資産形成や資金使途についての選択肢拡大につながると思う。
いずれにせよ、投資期間は長い方が良いので、なるべく早めに時間を味方に付けることが重要である。実際に新NISA等の税制優遇制度を積極的に活用して、今すぐにでも投資をスタートしてみてはどうだろうか。
(※情報提供、記事執筆:ニッセイ基礎研究所 金融研究部 研究員 熊 紫云)