(ブルームバーグ):北朝鮮のハッカーが今年、過去最高となる20億ドル(約3100億円)相当の暗号資産(仮想通貨)を盗んだことが、新たな調査で明らかになった。2024年から大幅に増加しており、大規模なサイバー窃盗を実行する同国の能力が一段と高まっていることが浮き彫りになった。
ブロックチェーン分析会社チェイナリシスのリポートによると、北朝鮮による今年の窃盗額の大半は、2月に発生した仮想通貨交換所大手バイビットからの15億ドルの流出が占めた。この事件により、記録開始以降に北朝鮮が得たと推計される暗号資産の総額は、少なくとも67億5000万ドルに押し上げられたと同社は指摘した。
同リポートは、北朝鮮が「暗号資産の安全保障に対する最も重大な国家レベルの脅威であり続けている」と指摘。同国による暗号資産の窃取額は前年比で50%余り増加し、1月から12月初旬までに発生した推計34億ドルの窃盗被害の大半を占めたとしている。
チェイナリシスの幹部アンドリュー・フィアマン氏はブルームバーグへのメールで「暗号資産の窃盗は北朝鮮にとって有力な資金調達手段となっている」と述べ、「こうしたハッキングによる資金は、同国の政権と大量破壊兵器開発計画を支えている」と続けた。
原題:North Korea Stole $2 Billion of Crypto This Year, Report Says(抜粋)
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