英国は銀行員のボーナス制限を一段と緩和することを検討している。国際的な金融拠点として競争力を高める方法を同国は模索している。

26日に公表された協議内容によると、金融行動監視機構(FCA)とイングランド銀行(英中央銀行)の健全性規制機構(PRA)は、銀行の最高幹部がボーナスを受け取るまでに待たなければならない期間を現行の最長8年から5年に短縮する可能性がある。その他の主要リスクテーカーについては、4年とする案が浮上している。

PRAの最高責任者を務めるサム・ウッズ氏は「2008年以前に一般的だった極めて危険な給与体系に戻るべきではないが、今回の提案で役所的な手続きは減り、責任あるリスクテークが後押しされるだろう」と発表文で述べた。

英国はニューヨークなどと比べてボーナスの規則が厳しい場合が多く、その厳格な規則が英国の競争力をそぎ、銀行がロンドンに人材をつなぎ留めておくことを難しくしていると、長らく批判を浴びてきた。ウッズ氏は先月の講演で、規則の見直しを示唆していた。

今回の見直しの一環として、英国は給与規則が適用される人数の削減も検討する。一部のバンカーについては、現行の3年目からではなく、初年度からボーナスの一部受け取りを許可することも議論する。

また、株式ベースの繰り延べ報酬に配当金や金利の支払いを禁じた指針や、上級バンカーに繰り延べ報酬で得た株式の売却を最長1年待つことを義務づけている規則について、改定する可能性が協議される。

英国は欧州連合(EU)離脱以降、いわゆる重大なリスクテーカーのボーナスを固定給の2倍に制限していた規則を撤廃。ロンドンの金融業界ではトップクラスのトレーダーや投資銀バンカーに対するボーナスの変更が既に始まっている。

原題:UK Will Consider Further Relaxing Rules on London Banker Bonuses(抜粋)

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