データセンターの電力需要は2030年にかけて年間で最大20%の伸び率になると予想されているものの、世界の電力使用量全体に占める割合はほんのわずかに過ぎないことが、リポートで明らかになった。

急成長している人工知能(AI)産業が電力供給と送電網に多大な負担をかけていることは、これまでも指摘されてきた。だが、アブダビ国営石油(ADNOC)とマスダール、マイクロソフトが10月31日に公表したリポートによると、AI駆動型データセンターが世界全体の電力需要に占める割合は26年に0.24%と、若干の上昇にとどまると予想されている。

コンピューターチップの効率化がさらに進んだことなどを理由に、AIが全体の電力消費量の大幅な増加を引き起こす可能性は低いとの見方が広がっている。このリポートもそうした見方を裏付けるものだ。ノルウェーのリスクマネジメント会社DNVが最近公表した推計によると、AIとデータセンターは50年までに世界全体の電力需要のわずか2%にとどまるという。

だが、AIの普及は、データハブが集中している地域を中心に一部の地域電力会社を圧迫する可能性が高い。今回のリポートでは、信頼性の高い、二酸化炭素を排出しない電力の供給は引き続き課題であると指摘している。

このリポートには、米エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)や米ブラックロックのラリー・フィンクCEOによる寄稿が含まれている。同リポートは、3日にアブダビでエネルギーや金融、テクノロジー分野のトップ60人余りが参加する会合に先立ち公表された。

原題:AI Will Account for Just a Sliver of Power Demand, Report Shows(抜粋)

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