(ブルームバーグ):エネルギー貯蔵と送電網技術に重点的に取り組むスウェーデンのスタートアップ企業が2000万ユーロ(約33億円)を追加調達した。同国のファストファッション企業ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)のカール・ヨハン・パーション会長も投資家として参加した。
フラワー・インフラストラクチャー・テクノロジーズは、ストックホルムの大学生だったジョン・ディクレフ氏によって4年前に設立された。スウェーデン最大の蓄電用バッテリーシステムのポートフォリオを保有しているとされる。
10月31日の発表によると、今回の追加調達で4500万ユーロの「シリーズA」調達ラウンドは完了。これまでの調達総額は1億ユーロに達した。同ラウンドはノースゾーン・ベンチャーズ・スウェーデンが主導した。
ディクレフ氏は、風力や太陽光といった天候に左右されるエネルギー源への依存度が高まる中で、グリッドを安定化させるサービスの提供が同社の目標だと述べた。スウェーデンの一部地域では、原子炉閉鎖で価格が不安定になり、停電のリスクが高まっているため、グリッド安定化は特に大きな課題となっている。
「再生可能エネルギーを追加し、可能な限り高い費用効果で移行するためには、エネルギーシステムにさらなる柔軟性が必要だ」と、ディクレフ氏はインタビューで語った。
フラワーは4月、風力エネルギー開発企業OX2からスウェーデン最大のバッテリー施設を買収。現在は65メガワットの蓄電容量を持ち、さらに70メガワットの施設を開発中。今回の資金確保を受け、同社はドイツやフランス、オランダ、ベルギーなどの国々で事業拡大を計画しているという。
原題:H&M Chair Joins Funding Round for Swedish Startup Flower (1)(抜粋)
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