(ブルームバーグ):ソニーグループは今年、人気クイズ番組「ホイール・オブ・フォーチュン」と「ジョパディ!」の配信契約解消を米テレビネットワークのCBSに打診していた。事情に詳しい関係者の話で分かった。
協議が公になっていないことを理由に匿名で語った同関係者によれば、ソニーが契約解消のために提示した金額は9桁を超える数字だったという。
だが、その後ソニーは方針を切り替えた。同社は10月31日、パラマウント・グローバル傘下のCBSに損害賠償を求める訴訟をカリフォルニア州地裁に起こした。CBSが契約に違反したほか、同社の販売努力が不十分だと主張している。賠償請求額は不明。
両番組を制作するソニーによれば、35年前に結んだ配信契約でCBSは10億ドル(約1500億円)以上の利益を得てきたが、地方テレビ局への番組ライセンス供与や広告販売を通じた売上高の最大化に十分に取り組んでいない。
これに対しCBSは裁判で徹底的に争う考えを表明。発表資料で「契約では、当社がこれらシリーズの配信権を永久に所有していることは明らかだ」とした上で「当社が番組配信で最善の努力を怠った、あるいは契約上の義務を履行しなかったというソニーの主張を強く否定する」とした。
ロサンゼルスの地裁に提出された訴状によると、CBSの「悲惨な業績」の一因はパラマウント・グローバルのレイオフにあるとソニーは主張。パラマウントはこの1年間に社員2800人をレイオフしたが、その一部は配信契約履行の担当だったとしている。
また、CBSが昨年オーストラリアとニュージーランドで2年間の上限を超えるライセンス契約を締結したともソニーは指摘。CBSはその後、この契約に関連して360万ドル以上を手にしたが、「不正利益」を手放すことを拒んだという。
ソニーの広報担当者は電子メールで、「これまでにいくつかの異なる方法で解決を試みたが、うまくいかなかった」とコメント。オーストラリアとニュージーランドでの契約違反やレイオフなどで状況はさらに悪化していると指摘した。
今回の提訴については米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が先に伝えた。
原題:Sony Approached CBS About Buyout of Its ‘Jeopardy!’ Deal (1)(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2024 Bloomberg L.P.