(ブルームバーグ):イタリアの高級ファッションブランド、プラダの7-9月(第3四半期)売り上げは、業界全体の低迷とは対照的に好調だった。Z世代の間で「MiuMiu(ミュウミュウ)」の「アルカディ」ハンドバッグやカシミヤカーディガンが飛ぶように売れているという。
30日の発表によると、香港取引所に上場しているプラダグループの既存店売上高は、第3四半期に18%増加した。最大のブランドであるプラダの売上高は1.7%増加し、MiuMiuは2倍余りに増えた。
姉妹ブランドであるMiuMiuの驚異的な成長を原動力に、プラダはZ世代の消費者を引きつけるのに成功しており、高級ファッション業界のライバル企業を凌駕(りょうが)している。現在、MiuMiuの売上高は、グループ全体の約4分の1を占めている。

MiuMiuは、検索やソーシャルメディアでの言及を追跡する「リスト(Lyst)」インデックスで第3四半期に首位となった、前の四半期は2位だった。プラダは3位を維持。同インデックスによると、MiuMiuのアルカディバッグが特に人気だった。そのミニバージョンはフランスで1850ユーロ(約31万円)から販売されている。
アジア太平洋地域の売上高は12%増加。同地域では「より厳しい市場環境」が続いていると同社は指摘した。中国の消費落ち込みによる打撃を受け、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンや「グッチ」親会社ケリングなど他のファッション大手は同地域の不振が重しとなっている。
国・地域別の売り上げの伸び率は日本が最も高かった。訪日観光客による消費が旺盛だったという。
プラダのアンドレア・ゲラ最高経営責任者(CEO)は30日、MiuMiuの新CEOを今後2カ月以内に指名できると見込んでいることを明らかにした。クリスチャン・ディオール・クチュールのマネジングディレクターに就任するため退社したベネデッタ・ペトルッツォ氏の後任となる。ペトルッツォ氏のLVMHブランドでの新しい役職は先月初めに発表された。
プラダグループ創設者の孫娘であるミウッチャ・プラダ氏は、MiuMiuのクリエーティブディレクターであり、プラダではラフ・シモンズ氏と役割を分担している。
プラダの売り上げ発表後、バーンスタインのアナリスト、ルカ・ソルカ氏は、市場が今後12-18カ月でMiuMiuが生み出せる成長を過小評価している可能性があるとリポートで指摘。ただ、プラダブランドの「成長性はピークをとうに過ぎている」のではないかと懸念していると付け加えた。
原題:Prada Outpaces Fashion Rivals on Miu Miu’s Gen Z Appeal (1)(抜粋)
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