(ブルームバーグ):ドイツのスポーツ用品メーカー、アディダスは7-9月(第3四半期)にほとんどの地域で売上高を伸ばした。ビヨン・グルデン最高経営責任者(CEO)の改革が成果を生み始めている兆しだ。
同社が29日発表した7-9月決算によれば、為替の影響を除いた売上高は「Yeezy」ブランドのスニーカー販売減少が依然として響いている北米を除き、ほとんどの地域で2桁の伸びを記録した。
グループの営業利益も5億9800万ユーロ(約992億円)と、前年同期の4億900万ユーロから大きく増加した。

レトロなスニーカー需要の高まりを受け、アディダスは10月に入り3回目の通期利益目標引き上げを行った。営業利益予想は約10億ユーロから約12億ユーロに上方修正した。
グルデン氏は2023年1月にCEOに就任。アディダスは前年、Yeezyブランドでのラッパー兼デザイナーのYe(イェ)氏とのパートナーシップを解消した。以前「カニエ・ウェスト」として活動していたYe氏は、一連の言動が批判を招いていた。
グルデン氏が打ち出した計画は、Yeezyブランドへの依存を小さくする一方で、新しいフットウエアやアパレルのデザインに再び焦点を絞り、業務とコストを合理化するというもの。
「サンバ」や「ガゼル」といった人気レトロスニーカーの販売強化という当初の戦略が功を奏し、アディダスは現在、1970年代のランニングシューズ「SL72」の販売数を伸ばしている。
グルデン氏は発表資料で、現在すべての地域と販売チャネル、製品部門が成長しているとコメント。売上高が7%減った北米でも、Yeezyブランドを除くとプラス成長に戻ったという。
米国は間違いなく「最も難しい市場」だと同氏は記者団との電話会見で述べたが、10-12月(第4四半期)には増収に転じるとの見通しを示した。
原題:Adidas Comeback Gains Ground With Widespread Rise in Sales (2)(抜粋)
--取材協力:Joel Leon.
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