大和証券グループ本社が29日発表した2024年7-9月(第2四半期)の連結純利益は、前年同期比81%増の538億円だった。ブルームバーグがまとめたアナリスト3人の予想平均388億円を大きく上回った。

経常利益の内訳は、ウェルスマネジメント部門(旧リテール部門)が同21%増の159億円、アセットマネジメント部門は同58%増の247億円だった。顧客からの預かり資産残高に応じて得る収益が拡大したほか、資産運用分野で提携したかんぽ生命保険から1兆円規模の資産受託などが貢献した。

一方、グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門は同36%減の82億円と減益だった。グローバル・マーケッツにおいて、国内での急激な円金利低下によりポジション運営に苦戦したとしている。

4-9月累計の純利益は同45%増の778億円だった。経常利益は同44%増の1106億円となった。現行の会計制度が始まった01年3月期以降、上期の経常利益としては過去最高を更新。中間配当は過去最高となる1株当たり28円(前年同期は同19円)とした。

同社は今期からの新中期経営計画において、27年3月期の経常利益を2400億円以上に引き上げることを掲げた。また、欧米を中心としたM&A(企業の合併・買収)市場の回復を見据え、関連人員を増強している。

記者会見した吉田光太郎最高財務責任者(CFO)は「当社の戦略が着実に進捗(しんちょく)していると大きな手応えを感じている」と説明。M&A案件については「国内でパイプラインが増えている」とした上で「グローバルで見てM&Aビジネスはチャンスが大きい」と述べた。

(配当に関する記述や第5段落を追加して記事を更新します)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.