(ブルームバーグ):10日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=149円台前半で強含んで推移している。時間外取引で米金利が低下していることや日本株が伸び悩んでいることで、いったん円を買い戻す動きとなっている。日本時間夜に米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて、明確な方向感を欠く展開となっている。
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、円相場について、時間外取引で米国債利回りが低下していることや株式が伸び悩んでいることなどを背景に円売りが一服しているとし、「米CPIを控えた調整で方向感はあまりない」と述べた。
投資家心理の改善が続いた場合には円相場が150円の心理的節目を超える可能性がくすぶる。諸我氏は「150円を超えてくると介入けん制発言などが警戒される他、利益確定や実需による円買い戻しが出やすい」と指摘。145円-150円のレンジを中心とした動きが続きやすいと語った。

三菱UFJ銀行米州金融市場部の藤田大志調査役(ニューヨーク在勤)は「1回の雇用統計で11月利下げの確率がゼロになったり、年内の残りの利下げが1回にとどまるところまで後退することはないだろう」と指摘。円相場について「現時点の材料では150円~151円までの下落にとどまるのではないか」と語った。金利スワップ市場では11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利下げの確率が8割前後を示している。
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