(ブルームバーグ):8日の債券相場は下落し、長期金利は2カ月ぶりの高水準を付けた。米国市場で大幅利下げ観測の後退を背景に長期金利が上昇したことを受けて売りが優勢だ。半面、この日実施される30年国債入札は金利水準の高さから順調な結果が予想されており、相場を下支えしている。
SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは、債券相場は米金利上昇が重しになる一方、投資家の押し目買い需要に支えられる展開だと指摘。強い米雇用統計を受けて、日本銀行による追加利上げ観測が高まっているが、年度内の織り込みが8割弱と「利上げ期待が十分復元されているので、金利上昇ペースは緩やかになる」とみる。
財務省は8日、30年利付国債(84回債)の入札を提示した。表面利率は2.1%と、前回(2.2%)から引き下げられ、発行予定額は9000億円程度。
30年債入札について、奥村氏は「金利上昇が先行して進んでおり、複利利回りで2.1%水準で無難に消化されそうだ」と指摘。ただ、「あまり警戒感は出ていなかったので、入札を順調に終えても相場が大きく戻すことにはならない」とみている。

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