知っておきたい“大家トラブル”

赤荻歩キャスター:
「知っておくべき“大家トラブル”」について深掘りします。ようやく物件購入ができたとしてもそこからがはじまりです。不動産投資には、どんなトラブルが多いのでしょうか?

株式会社ヤモリの廣瀬取締役による「不動産トラブル5選」です。

1:賃料から返済できず収支がマイナス
2:滞納・夜逃げなど入居者による問題
3:台風や地震などの自然災害、事件・事故などの人災が発生
4:税金が払えなくなる
5:訴訟トラブル

株式会社ヤモリ 廣瀬 涼哉 取締役:
一番多いのは「賃料から返済できず収支がマイナス」という問題です。これは事前に事業計画ができていない方に多いです。

物件を買ってみたけど客付けができず、収入がなくて、返済ができないと。これは事業としてやっていないので致し方ないですけど、逆に事業として行えばこういうのは避けられる可能性があります。

「滞納・夜逃げなど入居者による問題」というのはどうしても一定数、発生してしまうと思います

僕が持っている物件でもそういうのは発生していくんですけど、発生する前に手を打っておくことが大事です。滞納でいうと保証会社がありますし、建物の内部に傷がついていれば、火災保険で修復できる場合があります。

赤荻歩キャスター:
実際に、夜逃げされたことはありますか?

株式会社ヤモリ 廣瀬 涼哉 取締役:
夜逃げされたこともあります。住居を提供する仕事なので、そこでは色んな人間ドラマが起きるので、そこに対応していくためにも、例えば火災保険に入っておくことなどが非常に重要かと思います。

また、「台風や地震などの自然災害や人災」も火災保険・地震保険の出番で、正しい知識をもって入ることが重要。ポイントとしては、加入する前に費用がいくらかを見て、収支があうか確認することです。

そして「税金が払えなくなる」ですが、不動産は税金との戦い。固定資産税もそうだが、年々、利益が出やすくなると、税金も増えやすい。

不動産というのは、「減価償却」というものがあり、実際にはお金は出て行かないが費用に計上することができて、税金を抑えることができるのですが、「減価償却」は永遠には続かず、いつかは終わります。

そうすると利益が大きくなるが、入ってくる家賃は変わらず、持っていかれる税金だけが増えて苦しくなっていく。

最後に「訴訟トラブル」ですが、滞納もひどくなってくると保証会社も、保証してくれなくなる。

そうするとこちらが入居者を訴えて、退去してもらわないといけなくなる。これを自分でやるのは大変なので、不動産に強い弁護士に相談できるようにすることが重要です。

赤荻歩キャスター:
初めてあったトラブルを覚えていますか?

株式会社ヤモリ 廣瀬 涼哉 取締役:
あるリフォーム業者に発注して、「工事終わりました」って聞いていたけど、実際には何も工事していなくて。

大急ぎで別の業者さんを手配して、修繕したことがあります。その問題のあったリフォーム業者は“夜逃げ”というか、そこからいなくなってしまって…。数百万円、損しました。

完全に自己責任なんですけど、問題のあったリフォーム業者には「先払いしてほしい」と言われて、人から紹介してもらった恩義もあって、先に支払いをしたらそういうことになった。

先払いというのは基本ない。これまで付き合いのある業者さんも、今まで先払いじゃないのにそうなるというのは資金繰りが苦しいということなので、基本は応じないです。

いまリフォームのコストを読み切るというのが非常に難しくて、リフォームの世界というのは30万円から50万円で直るものに800万円の請求が来るという話が普通にある。

正しい知識をもって、精査していくとかなり安く済むというのがあって、それが最初の課題なのかなと思います。