(ブルームバーグ):3日の東京外国為替市場で円相場は一時1ドル=147円台前半と8月以来の水準に下落。石破茂首相の早期追加利上げに対する後ろ向きな発言や、堅調な米雇用指標を背景に円売り・ドル買いが進んだ。
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストはドル・円相場について、「石破首相の発言だけでなく米ADP民間雇用統計が良かったので踏み上げが加速したが、ここから上にドルのロング(買い)で攻めていく環境にはない」と指摘。「10月日銀会合で利上げできないとしても12月は考えられる。円安となれば利上げに向けた動きも出てくる可能性がある」と述べた。
石破首相は2日、首相就任後初めて日銀の植田和男総裁と会談し、「追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と述べた。林芳正官房長官は3日午前の記者会見で、石破首相は金融政策の具体的手法は日銀に委ねられる方針だと承知していると語った。
東海東京インテリジェンス・ラボの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストは、「石破首相が追加利上げに向けてトーンダウンし過ぎている」とし、日銀の植田総裁の発言も「ストレート過ぎで、市場のボラティリティー(変動率)が上がりやすくなる」と指摘。投機勢は円の買い持ちに相当傾いており、「高市トレード」で付けた9月27日安値(146円49銭)を抜けてきて「逆回転が効いている」と述べた。
「現在、追加利上げするような環境にない」と石破首相-日銀と連携確認

日銀の野口旭審議委員は3日、長崎県金融経済懇談会で、日本経済は物価安定目標が持続的・安定的に達成されるに至るかどうか「極めて重大な転換点に差しかかっている」と指摘。「2%近傍で安定しつつあることを慎重に見極めながら、現状の金融緩和を徐々に調整していくことになる」と述べた。
野口氏は7月の金融政策決定会合で追加利上げに反対票を投じた。政策正常化に慎重なハト派とされる同氏の発言で円売りがさらに加速する可能性が警戒されていたが、市場の反応は限られた。
あおぞら銀の諸我氏は、「昨日の石破首相と植田総裁の会見でハト派的なものはかなり織り込んだ。これまでと特別違った内容の発言はなく、反応は限定的となっている」との見方を示した。
2日の米国市場では9月の民間部門雇用者数がエコノミスト予想を上回り、大幅利下げ観測が後退。米10年債利回りは一時8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して3.8%を上回った。
米ADP民間雇用者数、予想上回る増加-5カ月連続減速から反転
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