米ボーイングは米西海岸北西部での航空機製造をストップさせているストライキの終結を図り、同社最大の労働組合に対し、より大幅な賃上げ案などを提示した。

ボーイングはワシントン州シアトル近郊の工場労働者に対し、4年間で30%の賃上げを新たに提案した。組合に受け入れを迫っている経営側はこの条件が最終案であり、9月27日を過ぎると無効になると表明した。新提案には年次賞与の復活も盛り込まれている。米西海岸を拠点とする同社従業員3万3000人が加盟する国際機械工・航空機工労組(IAM)は今月、4年間で25%の賃上げを含む労働協約案を拒否していた。

13日のスト突入後、IAMは連邦政府の調停の下、17、18両日に経営側と協議したがほとんど進展は見られなかった。その後、交渉は行き詰まっている。12日に労働協約案を否決した後、IAMは賃上げ率の大幅引き上げと、組合員の確定給付年金制度復活を強く求める意向を示していた。

大統領選挙を控え、米国では労使紛争が激化しており、ボーイングと主要製造拠点の労働者の対立はウォール街やホワイトハウスも注目している。 ボーイングは今年1月の航空機事故で露呈した品質問題への対処で生産台数を縮小し、上半期の現金燃焼は80億ドル(約1兆1500億円)強に達した。ストが長期化すれば、すでに厳しい財務状況がさらに悪化することになる。

23日の米株式市場でボーイングは2%高で通常取引を終えた。IAMの幹部に経営側の提案に関するコメントを求めたが、すぐには返答はなかった。

原題:Boeing Offers Union 30% Wage Hike in Bid to End Strike (2)(抜粋)

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