21日の東京株式相場は大幅安。外国為替市場で円高が進み、業績不透明感から自動車や機械株など輸出関連に売りが先行。米国の半導体株安を嫌気して、半導体関連株も安い。金融株のほか、ニューヨーク原油先物の続落を受けて鉱業や商社など原油関連株も売られている。

ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、円高の進行と日経平均の3万8000円付近の上値の重さが意識され、相場は下げていると指摘。「価格帯別の取引を見ると3万8000-9000円台にボリュームがあるため、戻り売りが出やすい」と述べた。

円相場が21日朝に一時2週間ぶりとなる1ドル=144円台後半まで上昇し、企業の業績見通しに対する懸念が高まった。いちよしアセットマネジメントの秋野充成社長は、9月の米利下げを控えて為替は円高になりやすく、145円近辺では今期業績の上方修正期待がほぼ消滅しそうだと話す。

トヨタ自動車や東京海上ホールディングスがTOPIXの下落をけん引。指数構成銘柄2132のうち、1562銘柄が下落、492銘柄が上昇している。

市場の関心が週末の日米中央銀行イベントに向かう中、取引は低調だ。日本銀行の植田和男総裁は23日の衆参両院の閉会中審査に出席、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は同日、カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(ジャクソンホール会合)で講演する。

インサイト

  • 東証全33業種中30種が下落、下落率トップは石油・石炭製品。空運業が上昇率トップ
  • MSCIアジア太平洋指数は0.4%安

背景

  • ジャクソンホール講演に影響か-米雇用者数、基準改定で100万人減も
  • 日銀、インフレ圧力持続の可能性を示唆する論文2本を公表
  • 【要人発言】インフレ低下続けば利下げが適切に-ボウマンFRB理事
  • ドル・円相場は1ドル=145円近辺で推移、前日の日本株終値時点は147円28銭

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.