(ブルームバーグ):21日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=145円台半ばに下落。米国の利下げ観測を背景としたドル安が急速に進んだため、節目の145円割れでドルを買う動きが出た。
ソニーフィナンシャルグループの森本淳太郎シニアアナリストは、ドルが売られやすい流れが続く中、「145円の節目でドルがいったん買われ、仲値に向けて需要が増えた」と述べ、自律反発との見方を示した。米国の利下げはかなり織り込まれており、「利下げ期待が一段と高まるような材料が出る可能性は低い。相場はリスクオン、オフの材料に左右されやすい」とみる。
財務省は21日、7月の貿易統計を発表した。貿易収支は6218億円の赤字と2カ月ぶりのマイナスとなった。赤字幅は市場予想を上回り、一時的な円売り材料となった。
7月輸出は8カ月連続増、円安が押し上げ-2カ月ぶり貿易赤字 (2)

円は一時144円94銭まで上昇する場面があった。りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは、米雇用者数の改定にジャクソンホール会合と、米金利が低下しやすい材料やイベントを控えており、「144円台半ばまでみておいた方がよい雰囲気だ」と話した。
パウエルFRB議長は米東部時間23日午前10時(日本時間同午後11時)から、カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(ジャクソンホール会合)で基調講演を行う。市場は米利下げのタイミングと下げ幅に関して一段の手掛かりを得ようとしている。
ジャクソンホール講演に影響か-米雇用者数、基準改定で100万人減も
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