14日の東京外国為替市場で円相場は対ドルで上昇に転換。岸田文雄首相が自民党総裁選に出馬しない意向を表明したことを受けて、政治の先行き不透明感を嫌気して円買いが強まり、1ドル=146円ちょうどに迫る場面があった。

三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは、岸田首相の総裁選不出馬によって「首相が変わることに対する不透明感で円高に振れている」と指摘。もっとも次の自民党総裁が誰になるのかについての不確実性もあることから、「円高の反応自体は長続きしづらいのではないか」と述べた。

 

岸田首相はこの日午前、官邸で記者会見を開き、9月の自民党総裁選に立候補しないことを明らかにした。総裁選には茂木敏充幹事長や石破茂元幹事長、河野太郎デジタル相、高市早苗経済安全保障担当相らが意欲を示しているほか、上川陽子外相、小泉進次郎元環境相、小林鷹之前経済安全保障担当相らの名前も挙がっている。

岸田首相、「自民党総裁選に出馬しない」-記者会見で意向明らかに

野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは、岸田首相が自発的に不出馬となったことで「茂木幹事長や河野デジタル相が出馬しやすくなるとの思惑で円が買われている可能性がある」と指摘。茂木氏も河野氏も日本銀行の7月金融政策決定会合前に日銀の利上げの必要性や円安の是正を主張していた。

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