南シナ海でフィリピンの船が中国艦船から放水砲を発射され、乗組員4人が負傷した事態を受け、フィリピン政府は「これまでで最も深刻な事案だ」として中国側に自制を求めました。

フィリピン政府によりますと、フィリピンと中国が領有権を争う南シナ海のアユンギン礁付近で5日、中国海警局から発射された放水砲によってフィリピン軍の輸送船が損傷し、乗組員4人がけがをしました。また、この船を含む2隻が中国船に衝突されたということです。

これに対し、中国側は「フィリピン船が我々の艦船に危険なほど接近した」などと反論しています。

そんな中、フィリピン外務省や海軍は6日、共同で記者会見を開きました。

フィリピン国家安全保障会議 ジョナサン・マラヤ報道官
「妨害行為や危険な操縦をしているのは誰なのか? それは中国だ」

フィリピン側は「中国が意図的に問題を引き起こしている」と改めて非難したうえで、「これまでで最も深刻な事案だ」として中国側に自制を求めました。